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高さ100-600kmの電離層で発生している赤道域プラズマバブル(画像中の黒い枝状の影)。夜間の空で光る目に見えない微弱な大気光を、魚眼レンズを使った高感度全天カメラで撮像することにより観測されました。電離層の電子が木の枝の形になくなってしまっていることがわかります。プラズマバブルの中の電子は激しく乱れており、人工衛星と地上との通信を妨げます。すなわち、上空にプラズマバブルがあるとカーナビが使えなくなったり衛星放送が見えなくなったりすることがあります(撮影:鹿児島県佐多岬、2001年11月12日、名古屋大学太陽地球環境研究所の超高層大気イメージングシステムによる)。

拠点機関

日本側拠点機関: 名古屋大学
(ナイジェリア)拠点機関: ナイジェリア工学大学アクレ校
(インドネシア)拠点機関: インドネシア国立宇宙研究所
(コートジボワール)拠点機関: フェリックス・ハウファー・ボクニー大学
(タイ)拠点機関: チェンマイ大学

全期間を通じた研究交流目標

 本研究では、インドネシアを中心とした東南アジア赤道域とナイジェリアを中心とした西アフリカ赤道域において、高度200-300km の地球電離圏で発光する夜間大気光を高感度全天カメラ、ファブリ・ペロー干渉計でイメージング観測します。これに電磁場計測機器による同時観測も組み合わせて、人工衛星と地上間の通信やGPS 測位に影響を与える赤道電離圏のプラズマバブル・大気波動・赤道異常などの赤道電離圏擾乱の特性の、アジアとアフリカの経度における違いを明らかにします。これらの観測研究を通して、電離圏の研究におけるアジア・アフリカの研究者との研究交流を発展させます。既に国際的な研究水準に達しつつある東南アジアにおいては、現地研究者が日本と対等な立場で研究を推進し国際的な研究成果を挙げられるようにさらなるレベルアップをはかっていきます。また光学観測がこれまでほとんど行われていないアフリカ地域では、欧米に先駆けて電離圏の光学観測を開始して、新たな研究拠点を構築していきます。

 本研究は、ICSU 傘下のSCOSTEP(太陽地球系科学・物理学委員会)が平成21-25年に実施するCAWSES-II 国際プログラム(太陽地球系の天気と気候-II)、及び、平成26-30年に実施するVarSITI国際プログラム(太陽活動変動とその地球への影響)の推進に協力しています。また、国連が平成22-24 年に主導する国際宇宙天気イニシアティブ(ISWI)とその後継プログラムの推進に協力しています。

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